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二軸延伸ポリプロピレンとは?

二軸延伸ポリプロピレンとは?

二軸延伸ポリプロピレン(Oriented Polypropylene)とは、OPPとも呼ばれる、剛性や透明性、強度といった機械的特性を持ったフィルムや袋のことです。

二軸延伸ポリプロピレン(OPP)は、フラット法逐次二軸延伸プロセスと呼ばれる製造プロセスで造られます。一般的なポリエチレンの製造にはチューブ状のフィルムを作るインフレーション成形法が用いられますが、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)ではフラットな状態で製膜されたフィルムをいくつかのロールを通して縦(フィルムの押出方向)方向に延伸(引き延ばす)して、その後にテンターと呼ばれる幅出し機で横方向(フィルムの押出方向からみて直角方向)に延伸する装置によって製造されます。縦横の二軸に延伸することから「二軸延伸」と呼ばれます。

二軸延伸ポリプロピレン(OPP)は、剛性、透明性、耐衝撃性が無延伸ポリプロピレン(CPP)より高く、また印刷適性が高いので質の高い美観性が求められるものに使用されます。透明性を活かした用途として花のラッピングやケーキの外側のフィルムがあります。アイスクリーム、アイスキャンディのような冷菓、キャラメル・ガムの包装などにも二軸延伸ポリプロピレン(OPP)のフィルムが使われています。

二軸延伸ポリプロピレン(OPP)は、無延伸ポリプロピレン(CPP)と比べてヒートシール性は劣るため、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)単体で包装に使用される場合には軽量な内容物に限定されます。またガスバリア性も劣るため、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコート(被覆)したK-OPと呼ばれるフィルムが使用されます。

さらにフィルムが包装対象の内容物によって曇ってしまう場合あり、この場合は防曇剤と呼ばれる添加剤を加えた防曇OPPが使用されます。これはピーマンなどの野菜やおにぎり、サンドウイッチの包装に多く使用されています。

二軸延伸ポリプロピレン(OPP)は包装以外の用途としてラベルにも使用されています。単体で使用される用途の他にPETフィルム、ナイロンフィルムと貼り合わせるラミネートで多くの食品包装に使われています。

脱炭素化の取り組みの流れでポリプロピレンリサイクルの試みが行われています。しかし、ポリプロピレン単体で使用される用途がポリエチレンに比べて少なく、また重量も少ないことから、フィルムからフィルムへのマテリアルリサイクルの実用化には課題があります。このほかに、食用油や廃油並びにポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチック廃棄物を熱分解してナフサに戻し、そこから新たに樹脂にするケミカルリサイクルの試みも始まろうとしています。

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