ヒートシールとは?
ヒートシールとは?
ヒートシールとは、接着剤を使わず、熱によってフィルム同士を接着させることです。
一般的に包装材料は袋状のプラスチックフィルムが用いられますが、フィルムを袋状にするには熱可塑性樹脂製フィルム(ポリエチレンやポリプロピレンなど)同士を、接着剤を使わずに熱融着をします。これをヒートシールと言います。
カップ容器などの容器本体とフタ、袋状のお菓子のパッケージなどもヒートシールによって接着しています。
以前はアイロンを使いヒートシールしていましたが、数十年前から正確でかつ高速にヒートシールできる安価なヒートシール機(ヒートシーラー)が広く使われるようになりました。
ヒートシールの仕組みは、
- 包装フィルムの最内層(シール層といいます)を加熱し溶融させる。
- シール面同士に圧力をかけて密着させる。
- 冷却・密閉する。
という3つのプロセスから成り立っています。
ポイントは加熱温度・圧力・加熱時間の3つです。
ヒートシール機は両面加熱式のものを使うのが一般的です。このようにしてできあがった袋には主に、三方シールの袋(両側と上か下かのどちらかがシールされている)、チューブ状の底部シールの袋(ゴミ袋など)、洗剤やシャンプーなどに用いられるスタンディングパウチ(自立容器)の3つのタイプがあります。
包装用フィルムは内容物を密封してその性能、味、香りを保つために内容物(充填物)の性質に応じて防湿性や酸素バリア性が必要です。
防湿性はポリエチレンやポリプロピレンで満たされますが、酸素バリア性を付与するためにはエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム並びにその他の蒸着フィルムが用いられます。
またPETフィルムやナイロンフィルムも必要に応じて用いられますが、これらの異種のフィルムを使用した多層フィルムについても最内層のシール層はポリエチレンに限られます。これはポリエチレンが約150~170℃という相対的に低温で良好なヒートシールができる性能を持つからです。これにより内容物(食品、化粧品、洗剤など)の高速自動充てんとシール後の高い強度を実現できます。
一方、ポリプロピレンでは、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)はフィルムに製膜された後に延伸されるため、分子が配向されヒートシール性は低下します。無延伸ポリプロピレン(CPP)はヒートシール性が良好ですが、ポリエチレンに比べて融点が高いためヒートシール温度も高くなります。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。