ポリプロピレン樹脂とは?
ポリプロピレン樹脂とは?
ポリプロピレン樹脂(polypropylene、PP)とは、ナフサ(粗製ガソリン)を分解して得られるプロピレン(C3H6)というモノマーと微量の触媒を使って重合して得られる樹脂のことです。
ポリプロピレン(PP)はエチレン(C2H4)をまったく含まずプロピレン(C3H6)のみからなるホモポリマーと、エチレン(C2H4)を4.5wt%以下の比率で含有するランダムコポリマー、そしてプロピレンの「海」のなかにエチレン-プロピレン重合体の「島」が点在する構造をもつブロックコポリマーの3種類があります。
エチレン(C2H4)をプロピレン(C3H6)と一緒に共重合させることによって融点 が低くなり、それによりヒートシール温度を低くでき、耐衝撃性を向上させる効果が期待できます。
ポリプロピレン(PP)の主な特性は、(A)分子構造がシンプルであり、衛生性に優れる。(B)透明性が優れる。(C)ポリエチレン(PE)より印刷性が優れる(OPPフィルムの場合)。(D)耐熱性が優れる。(E)ポリエチレンと同じく耐薬品性が良い。(F)ヒンジ特性(成形品で折り畳み部を繰り返し折りたたんでも疲労して折り畳み部が破壊されない特性)が良いこと。(G)比重が0.88~0.89と汎用樹脂のなかで最も低いなどがあります。
ポリプロピレン(PP)の用途は
- フィルム・シート
- 自動車部品
- 一般成形品
- 不織布
などがあります。
1.のフィルム・シートで大量に使用されるのはOPP(二軸延伸フィルム)とCPP(無延伸フィルム)があります。またIPP(下向きインフレーションフィルム)もあります。OPPはスナック食品、パン包装、野菜包装のような食品が多いですが、コンデンサーのような工業用としても使われます。CPPはレトルトパウチや輸液バッグ、生めん、イージーピールがあります。IPPは食パン、野菜包装のほかクリーニング用などです。またシート(250μ以上の肉厚)ではクリアファイルなどの文具とプラスチック段ボールがあります。
2.の自動車部品ではバンパーやインストルメントパネルがあります。
3.の一般成形品ではパレットや物流コンテナーほか容器のキャップ、日用品ではスーツケースやプランターがあります。また注射器のシリンジやアイスクリーム容器です。
4.の不織布では紙オムツの重要な部材で肌に優しく通気性を備えた衛生材があります。そのほかオイルブロッター(石油吸着材)として海洋などに流出する石油の吸着材にも使用されています。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。