添加剤とは?
添加剤とは?
添加剤とは、改質剤とも言われるもので、プラスチックの物性を改質するために添加する薬剤のことです。添加剤を入れることで、プラスチックに柔軟性を追加したり、劣化を防止したりといったように性質を改良することができます。
代表的な添加剤(改質剤)として、可塑剤(かそざい)、酸化防止剤、発泡剤、導電剤、難燃剤などがあります。
可塑剤は、最も代表的な添加剤で主としてポリ塩化ビニル(PVC)に用いられます。特に農業用ハウスに使用されるポリ塩化ビニルに可塑剤を添加することで、物性の柔軟性を向上させる改質を行っています。ただし、添加剤の中でフタル酸エステルは環境ホルモン物質への疑いがあり、使用の検討がされています。また、ポリ塩化ビニルを使用した製品でも硬質パイプには可塑剤は含まれません。
酸化防止剤では、ポリ塩化ビニル以外のほとんどの合成樹脂に添加されており、熱による酸化・劣化を防止することができます。酸化防止剤の添加量は0.1%未満です。
ただし、牛乳パックなどに用いられている低密度ポリエチレンには乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)によって無添加であることが条件となっています。
環境問題や機能面の改質からプラスチックの軽量化が進められていますが、軽量化をするためには、プラスチックフィルムを薄膜化する必要があります。薄膜化は高温で加工することで可能ですが、高温加工により「フィッシュアイ(ゲル)」という微細な欠陥が生じやすくなります。そこで熱による酸化・劣化を防ぐために酸化防止剤が添加剤として使用されます。
発泡剤は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンや軟質ウレタンで添加されます。ポリスチレンでは軽量化目的で魚用コンテナ、断熱性向上を目的に住宅用断熱材に用いられています。低密度ポリエチレンでは緩衝効果を改質するために添加され、包装・梱包に使用されます。また、ポリプロピレンでは自動車のバンパ―材として発泡剤を加え使用されます。軟質ウレタンでは自動車の座席、ヘッドレストやアームレストなどに用いられています。
導電剤では、絶縁性と紫外線を吸収する特性を併せ持ったカーボンブラックを添加し、電線などの被覆材料として使用されます。
難燃剤は、難燃性に対する改質を行うために用いられます。ポリエチレンやポリプロピレンは非ハロゲン性の難燃剤を加えることによって一定の難燃性が有毒ガスを発生せずに得ることができます。電線被覆用途としても用いられています。
上記の添加剤(改質剤)の他に、ポリエチレン製の袋の口が開きやすいようにアンチブロッキング剤を添加したり、フィルムの滑りをよくするためにスリップ剤を添加したり、砂糖、塩、米、肥料のような粒状・粉状の材料あるいは電子部品の包装において静電気を帯びるのを防ぐために帯電防止剤や界面活性剤などが添加剤として使用されます。
さらに、プラスチック製品は紫外線には弱いので屋外で使用される場合、紫外線吸収剤や光安定剤を添加し、耐候性を向上させます。
食品容器・包装、医薬品また玩具に使用される添加剤については、食品衛生法に適合していることが条件となります。特に添加量が規定されているものはフェノール、ホルムアルデヒト、過マンガン酸カリの消費量、鉛、カドミニウム、錫、ヒ素となっています。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。