インフレーション成形法とは?
インフレーション成形法とは?
インフレーション成形法とは、ポリエチレンやポリプロピレンをゴミ袋・ポリ袋、フィルムなどに成形する手法の一つです。インフレ法ともいいます。
インフレーション成形法の成形過程は、まず押出成形機によって加熱・溶融・混練された樹脂をダイと呼ばれるリング状に隙間の開いた金型から押出し、空気を吹き込んで所定のサイズに膨らませる(インフレーション)ことによってチューブ状に成形します。
次に上部のロールによってチューブ状フィルムを挟み込み引っ張ることでチューブ内部の空気を締め出しながら巻き取ってロール状にしていきます。
なお、ポリエチレンは上向きの空冷インフレーション成形機で製膜されるのに対して、ポリプロピレンは下向きの水冷法で製膜されます。ポリプロピレンは一定の加工温度以上になると急速に溶融時の粘度が下がるため、上向きですと製膜ができなくなってしまうので下向きで水冷して粘度を調整しながら成形します。
こうしてできるチューブ状のフィルムがインフレーションフィルムとなります。
インフレーションフィルムの特長は、チューブ内面の衛生性が高い点があります。
上記のとおり製膜時にチューブに吹き込まれた空気は微細な不織布製のフィルターでろ過されることによってゴミや汚れが取り除かれ、さらにチューブ内でポリエチレンやポリプロピレン樹脂の加工温度近くで空気が加熱(ポリエチレンで150℃~180℃、ポリプロピレンで200~210℃)されることによって空気は殺菌されます。
フィルムは製膜されチューブ状のままで巻き取られる場合と、巻き取り工程でトップかボトムにヒートシールされるケースがありますが、どちらのケースにおいてもチューブのなかは殺菌されていて極めてクリーンです。
その後、ロール状になったチューブの片側をシールし、もう片側を切断することで袋状の製品にします。このようにしてゴミ袋やポリ袋、食品保存袋、レジ袋などが製造されます。
フィルムへ成形する手法としてインフレーション成形法の他に、キャスト成形法(Tダイ)があります。
かつてはポリ塩化ビニル(PVC)もインフレーション成形法によっても製造されていました。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。