ラミネーションとは?
ラミネーションとは?
ラミネーション(lamination)とは、複数の材料を貼り合わせて、異種多層の包装フィルムにする加工技術のことです。ラミネート加工、ラミネート、積層体、パウチ加工などと呼ぶこともあります。
包装フィルムにはガスバリア性、防湿性、耐熱性並びに透明性など多くの性能が要求されます。単一のフィルムではこれらの多様な要求特性を十分に満足させることができないため異種多層で構成される包装材料が使用されます。この異種多層にすることをラミネーションといいます。
ラミネーションのプロセスには、
- ウエットラミネーション
- ドライラミネーション
- 押出コーティング
- 共押出ラミネーション
などがあります。
1.ウエットラミネーションとは、水溶性またはエマルジョンタイプ(乳剤)の接着剤を使用しラミネーションする方法です。吸水性のないフィルム状の基材に接着剤を塗布(コーティング)し、基材同士を貼り合わせた後で乾燥工程に入ります。紙とアルミ箔の貼り合せにも用いられ、たばこ、スティック型ガムやビール瓶のラベルに用いられます。
2.ドライラミネーションとは、異種のフィルム同士やアルミ箔を用いる場合に使われるプロセスで、これらの材料の多くはウレタン系接着剤で相互に貼り合せ多層構造にします。レトルトパウチ包装にはこの方法が多く使われます。
最後にシール層としてポリエチレンフィルム(PEフィルム)やポリプロピレン(PPフィルム)を貼り合せることによってヒートシール性のあるラミネートが得られます。
3.押出コーティングとは、基材となるフィルム(ポリプロピレン、ナイロン、PET、エバールなど)やアルミ箔へ必要に応じてアンカー剤(ポリエチレンとの接着性を高める材料で下塗りの役割を果たす)といわれるコーティング剤を塗布し、乾燥させてそのうえにポリエチレンをいわば糊としてキャスト押出装置によって塗布します。最後にヒートシール性を付与するためにポリエチレンやエチレン酢酸ビニル(EVA)を必要に応じてコーティングします。
4.共押出ラミネーションとは、単体フィルムの製膜プロセスと同じくインフレーション成形法とキャスト成形法の双方のプロセスが用いられます。食肉、ハム、ソーセージ向けの包装フィルムの製造に多く使用され、ガスバリア性の良いポリ塩化ビニリデンやエバールと柔軟で異形の内容物にフィットするポリエチレンやEVAとの多層構造にしますが、相互の接着性を付与するために中間層として特殊な接着性樹脂を用います。
どのようなプロセスを用いるものであれ、食品などの包装対象物の気密性を保持しつつ密封することが不可欠ですが、この密封機能を付与するのがヒートシールというプロセスであり内容物に影響しないように低温で同時に生産性を向上させることが求められます。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。