環境にやさしいゴミ袋ってどんなものがあるの?

環境にやさしいゴミ袋ってどんなものがあるのでしょうか。
環境省の調査によると、ゴミの総排出量は年間4,272万トン(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりの918グラムのゴミを排出しています(平成30年度)※。ごみの排出量のうち、ごみ袋の重量は0.5~0.6%程度と言われているため、ゴミ袋だけでも推定約28万トン燃やされていることになります。
一般的なゴミ袋はポリエチレン(プラスチック)製となっており、ポリエチレンは燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生します。二酸化炭素は地球温暖化の原因とされる温室効果ガスであり、環境面での懸念があります。
なお、現在はゴミ処理施設の焼却性能が向上したため、塩素系のプラスチック(塩ビ製のラップなど)を燃やすことによる有害物質(ダイオキシン)は発生しません。詳しくは「ゴミ袋を燃やすとダイオキシンや有害ガスが出るの?」をご確認ください。
また、プラスチックは自然分解されないため適切な処分をしないと、自然界に残り続けてしまい「海洋プラスチック」など環境面での問題となっていることは近年ニュースなどでも話題になっている通りです。
ゴミ袋の場合は焼却することが前提のものですが、レジ袋やストロー、その他さまざまなプラスチック製品は、使い終わった後は適切に分別してゴミとして処分していきましょう。
それでは環境にやさしいゴミ袋とはどんなものがあるのでしょうか。
バイオマスプラスチック
原料がバイオマスのプラスチックが配合されたゴミ袋です。バイオマスとは、「再生可能な生物資源」のことで、具体的な一例としてはトウモロコシやサトウキビといった植物由来のデンプンや糖を指します。これらを原料にしたプラスチックでゴミ袋を作ることで、石油由来のプラスチックでゴミ袋を作るよりも、製造時の二酸化炭素が削減できるため環境にやさしいゴミ袋となります。
また、燃焼時には二酸化炭素が発生しますが、燃焼した二酸化炭素は、原料のトウモロコシやサトウキビが大気中から吸収するためトータルの二酸化炭素量は変化しない(カーボンニュートラル)と考えられています。
なお現段階では、バイオマスプラスチック100%配合ですと、費用面が高くなることや、品質面でも改善が必要で、通常のプラスチックに、バイオマスプラスチックを配合して作られています。
今後、段階的に配合率を上げていくことが課題の素材です。
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生分解性プラスチック
生分解性プラスチックは、バクテリアや菌類の力で、水と二酸化炭素に分解することができるプラスチックです。
現段階では生分解性プラスチックは費用が高く、また分解には長い時間が必要であるため、すぐに焼却するのが目的のゴミ袋では不向きの素材ですが、レジ袋やペットボトルなどのポイ捨てによる環境問題対策として注目されています。
紙
紙製のゴミ袋です。石油由来のプラスチックで作られたゴミ袋の場合、製造時と燃焼時に二酸化炭素が発生します。
紙製の場合でも、製造時・燃焼時に二酸化炭素が発生しますが、原料の木(パルプ)が、二酸化炭素を吸収することから環境にやさしいゴミ袋となります。こちらもカーボンニュートラルの考え方となります。
ただ、紙製のゴミ袋は中身が見えないため、ゴミ収集をする際の可燃・不燃の確認や清掃員の安全面において課題があります。
自治体では「中身の見えるゴミ袋」での排出がルールとなっていて紙ゴミ袋の使用が出来ないこともあります。
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天然ライムストーン(石灰石)
天然ライムストーン(石灰石)という鉱物由来の炭酸カルシウムを原料として配合したゴミ袋です。バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックは原料こそ石油由来のプラスチックとは異なるものの「プラスチック」であることは変わりなく、最終的に燃焼時に二酸化炭素が発生してしまいます。
一方、天然ライムストーンでは、燃焼時に二酸化炭素は発生するもののプラスチックと比べ二酸化炭素の排出量は少なく、また、通常のプラスチックに炭酸カルシウムを配合することから、製造時に使われるプラスチック量を削減でき、その配合が多ければ多いほど結果として燃焼時の二酸化炭素排出量も削減できるので最も環境にやさしいゴミ袋となります。
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再生プラスチック
環境にやさしいゴミ袋は他にもさまざまあり、例えば、ポリエチレンの端材等を再利用することで作られたゴミ袋や再生原料を利用して作られたゴミ袋などもあります。
また、グリーン購入法基本方針改定が2021年の2月19日に閣議決定され、再生プラスチック配合率が40%以上の場合グリーン購入法適合商品となりました。
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まとめ
いずれのゴミ袋もさまざまな理由で環境にやさしい対策が取られていますので、特性に合わせて商品をお選びください。
また、一番環境にやさしいのはゴミの量自体を減らすことです。3Rの気持ちで、きれいな地球と、きれいな心を。