イージーピール性とは?
イージーピール性とは?
イージーピール性とは、例えばカップラーメンの容器についているフタをカップ状の容器から切り離す際などに、力を加えずに容易に開封できる構造のことを言います。開封のしやすさのことで、易開封性とも言います。ピール(peel)とは、剝がすという意味です。
容器本体から剥離できるフタのことをピーラブル蓋材といいます。また容器の本体はポリプロピレンやポリエチレンで成形されたものが多いですが、昨今では環境への配慮もありそれ以外のものも増えています。
容器の本体とフタのイージーピール性を発揮させるメカニズムには次の3つの方式があります。
「界面剥離型」は、容器とフタの最内層のシール面を容器から剥がすことで開封します。プリンやゼリー容器に使われます。単層フィルムまたは多層フィルムが用いられますが、最内層はポリプロピレンにシール性の良好な直鎖状低密度ポリエチレンをブレンドしたフィルムが多く使用されます。
「凝集破壊型」は、容器とフタを接着している接着剤を物理的に破壊することで開封します。ヨーグルト容器やレトルト食品容器、スナック菓子包装などに使われます。接着剤にはホットメルト接着剤が用いられます。ホットメルト接着剤はEVA樹脂を主成分として粘着剤とワックス(ワックスはホットメルトを塗布する場合の粘度調整のため)を配合したものです。高速充填・接着ができます。
「層間剥離型」はフタの最内層のシール層とイージーピール層の間を剥がすことで開封します。冷凍食品、レトルト食品容器や医療器包材などによく使われます。フィルムには2層以上の異種の材料からなる多層フィルム(ポリプロピレン、PET、EVOH、アルミ箔、真空蒸着フィルム)が使用され、うち1層は容器本体と融着される層(シール層)であり、もう1層はシール層と接触・接着される剥離層として機能します。開封する時は他の型と異なり容器とシール層の間ではなく、シール層と剥離層の間で剥離が生じます。レトルト食品は耐熱性が要求されるためシール層の主成分はポリプロピレンです。
層間剥離型が最も機能が高いのですが、コストも高くなります。
また、レトルトパウチ包装のイージーピール性の方法として、あらかじめ開口部の上部に切れ目を入れておく方式が多くなっています。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。