エチレンとは?
エチレンとは?
エチレン(ethylene)とは、無色の気体です。エチレン(C2H4)という単量体(モノマー)をリアクター(反応炉)で重合したものがポリエチレン です。エチレンは反応性が高く様々な化合物の原料として用いられます。
エチレンの生産方法は、ナフサ を主とする炭化水素を水蒸気と混合し高温で熱分解して生成物を蒸留分離することで作られます。エチレンを生産する装置はナフサクラッカーまたはエチレンプラントと呼ばれる石油化学の中核をなす装置です。
エチレンの世界需要は2017年で約149.7百万トン(出典:経済産業省)です。2018年まではほぼ年間で6百万トンの伸びが続いてきました。ここ数年の需要の伸びは発展途上国、特に中国やインドが牽引してきましたが、2019年は貿易紛争や中国の成長率の鈍化のために伸びは小さくなった模様です。
アジアの大部分では石油化学企業はナフサからエチレンを製造しますが、シェールオイルを増産してきたアメリカでは副産物のシェールガスの生産も増加しております。そこではナフサではなくエタン(C2H6)からエチレンを製造しています。エタンは天然ガスにおいてメタン(CH4)の次に多く含まれる成分です。当初は燃料として燃焼される用途が主でしたが、20世紀の第4四半期(1976年~2000年)以降、重要な石油化学原料となりました。
また中国では豊富な埋蔵量のある石炭を発電に使用してきましたが、CO2排出量が大きいため東部の海岸に近い地域では電力に石炭を使用するのを止めて石炭からメタノール(C1化学)を生産し、これからエチレンやプロピレンを生産する石炭化学も増加しつつあります。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。