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触媒とは?

触媒とは?

触媒(Catalysts)とは、化学反応の際にそれ自身は化学反応をしないながらも反応速度を速めたりあるいは遅くしたりする物質のことです。

触媒は、プラスチック製品の原材料となる合成樹脂や合成繊維などの高分子と言われる物質をつくる際に用いられるほか、排気ガスの浄化、石油精製また脱硫工程などにおいて使用されています。有効な触媒の発見はその化学製品の価値を決定づけるほどのきわめて重要な要素となっています。反応工程で用いられる触媒の量はごくわずかなものですが、その役割は製品の基本的性質を規定する役割をもっています。

プラスチックの製造に用いられる触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒(カミンスキー触媒)などがあります。

触媒
触媒のイメージ
 

ポリエチレンポリプロピレンの製造に際しては、チーグラー・ナッタ触媒が最初に用いられ現在でも使用されています。発明者がドイツのカール・チーグラーとイタリアのジュリオ・ナッタであったのでその名前をとってチーグラー・ナッタ触媒と呼ばれています。チーグラーはエチレンの重合に四塩化チタンを用い、ナッタはプロピレンの重合に三塩化チタンを用いることで前者はポリエチレン、後者はポリプロピレンの製造に成功しました。これらの業績で彼らはそろって1963年にノーベル化学賞を受賞しています。

チーグラー・ナッタ触媒は現在も使用されていますが、その後ドイツのウォルター・カミンスキーが1980年にメタロセン触媒を開発し、メタロセン触媒を活用した新たなポリエチレン、ポリプロピレンが開発されました。

ポリエチレンには低密度ポリエチレンと中・高密度ポリエチレンがありますが、新しいメタロセン触媒を用いて製造するのは低密度ポリエチレンです。またこの低密度ポリエチレンは製造プロセスによってさらに高圧法ポリエチレン(HP-LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)並びにメタロセンポリエチレンの3種類に分かれます。高圧法ポリエチレンの製造が始まったのは1933年であり、200℃/2,000気圧という高温高圧の条件のもとで製造されます。その後1977年に直鎖状低密度ポリエチレンの製造技術が開発され、70℃/数十気圧の条件でポリエチレンの重合が可能になりました。この直鎖状低密度ポリエチレンの製造にはそれまでと同じチーグラー・ナッタ触媒が使用されています。直鎖状低密度ポリエチレンは高温・高圧という条件を必要としたポリエチレンの重合に、画期的な変革をもたらし製造設備とランニングコストの低減に大きく寄与しました。

その後、発見されたメタロセン触媒は二塩化ジルコノセンとメチルアミノキサンを組み合わせた触媒で原料であるエチレンに対し、高い重合活性を示しました。この触媒は活性点がひとつであるためシングルサイト触媒(SSC)とも呼ばれています。シングルサイト触媒は従来のマルチサイト触媒(MSC)と比べて分子量分布が狭く、各分子のコモノマー含有量がほぼ等しいので良好な透明性と低温で優れたヒートシール性をもたらしています。

メタロセン触媒で造られたポリエチレンは耐圧強度にも優れており、フィルムの肉厚の薄膜化に直鎖状低密度ポリエチレンと並んで寄与し、また高速加工や不良率低減にも貢献します。特に低温におけるヒートシールの良さは食品の高速充填に寄与するため液体スープ、めんつゆ、ペースト製品、トイレタリー製品の包装に多く使用されています。

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