回転成形とは?
回転成形とは?
回転成形(かいてんせいけい、rotational molding)とは、大型のブロー成形ともいえる成形方法です。他の成形方法と大きく異なるのは金型に投入する合成樹脂の形状です。他の成形方法ではペレットと呼ぶ米粒状の樹脂が使われますが、回転成形では粒状の樹脂(ペレット)を0.5mm程度の大きさの粉末(パウダー)に粉砕して使います。
この粉末を金型に投入し、金型をバーナーや熱風で加熱しながら回転させることによって樹脂が溶融し金型のデザインにそって付着されます。その後、金型内面への樹脂の付着が完了すると冷却工程に入ります。回転成形には金型の回転方式(1軸と2軸)と加熱方式によって複数の方式があります。
用途は世界で最も多く使用されているのは大型タンクです。全長7mまでのタンクができますので雨水、水、農薬などの容器として中国、インドを始めとする広大な農業地帯や山岳部の農業、牧畜には欠かせない容器です。
回転成形法で成形された大型タンクが使用される以前はビルの屋上などで見られるFRP製のタンクが使われていました。このほか屋内外の大型テーブル、ベンチ、ペットハウス、プランターから楽器などの保護ケース、輸送用コンテナなどの用途があります。また以前には交通標識(三角形の赤色標識)が回転成形で造られていました。
回転成形法の特長は、
- 大型の中空容器ができること(成形設備や金型がシンプルであるためです)
- 複雑な形状に対応できること(金型自体を回転させるので凹凸や起伏の多い形状に対応できます)
- 射出成形に比べて金型費用が小さいこと
- 小ロット・多品種生産に対応できること(連続生産ではなくバッチ式生産のためです)
- 多層化もできます(3層構造にして中間層として発泡層を組みこんでいくこともでき、これによって衝撃の強さや軽量化ができます)
用いられる合成樹脂の多くは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)です。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。