射出成形とは?
射出成形とは?
射出成形(しゃしゅつせいけい、injection molding)とは、あらかじめ用意した金型のなかに溶融した合成樹脂に圧力をかけて注入して成形するプロセスです。クッキーの製造のような方法です。
金型は冷却されており、注入された合成樹脂はすぐに固まります。金型により一度に多数の成形品を造るものやひとつずつ成形品を造っていくものがあります。
射出成形で造られる製品は食品容器、自動車部品、スマートフォン等、多様な用途に使用されます。また用いられる樹脂もポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の汎用樹脂から ポリカーボネートやナイロンのようなエンジニアリングプラスチックまで様々あります。
食品容器ではプリン、ゼリー等のデザート、バター容器、ヨーグルト、アイスクリーム(容器とフタ)、密封容器等があり、医療用品では注射器等、大型製品では食品・飲料の輸送用コンテナやパレットがあります。自動車ではバンパーやインストルメンタルパネルを始めとする多くの自動車部品、家電製品ではテレビ、洗濯機のハウジング、冷蔵庫の内装材、OA機器ではパソコンやスマホのハウジングに多く使用されています。
射出成形では大きな圧力がかかるため、金型の設計・製造が重要な要素となります。大きな圧力に耐えられるように金型を設計するため、金型費用は他の成形法に比べて高くなります。
また射出成形は、カップやトレーを成形するシート成形(押出成形の一種)と競合します。 比較的単純な形状で大量生産する場合にはシート成形のほうが、成形プロセスが連続的なのでコスト上有利になります。
一方、複雑な形状の製品には射出成形がより適性があります。
射出成形ではインフレーション成形法やブロー成形法と比較して、例えばポリプロピレンでも相対的に分子量が小さく溶融時の粘度が低い銘柄が用いられます。
他の成形方法による製品と同じく薄肉化を可能にする合成樹脂の開発や金型設計技術の向上とあいまって射出成形も進化しています。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。