分子量分布とは?
分子量分布とは?
分子量分布とは、分子量の分布の状態を表す概念です。ポリマー(プラスチック)は多数の不均一な鎖状(チェーン)の長さを持った分子から構成されています。
エチレンやプロピレンのようなモノマーを重合する条件は製法によって規定されますが、その条件によって分子量分布の状態、つまり分布が狭いものから広いものまで同じポリエチレンでもポリプロピレンでも異なってきます。分子量分布には次の3つのパターンがあります。
- 分子量分布が比較的狭いもの。この場合は鎖の長さが平均して揃っているものです。
- 分子量分布が比較的広いもの。この場合は様々の長さの鎖で構成されています。
- 分子量のピークが2つあるもの。最近の直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンではこの構造をもったものがあります。
それぞれのパターンの特性は、1.の分子量分布が比較的狭いものでは機械的特性の強度は高くなりますが、低分子量が少ないため成形加工性は劣ります。2.の分子量分布が比較的広いものは低分子量の作用で成形加工性は相対的に良く特に分子量の大きな銘柄でこの特性が発揮でき、また低温で加工できます。他方同じMFR(メルトマスフローレート)で比較しますと機械的特性の強度はやや低くなります。3.の分子量のピークが2つあるものは、第一のピークで分子量の大きな部分を造り、第二のピークで分子量の小さなものを作るという機械的特性の強度と成形加工性を両立させようとするものでバイモダル(bimodal)と呼ぶ製法で製造されます。
用語集
ポリ袋・ゴミ袋業界に関する用語に加え、化学品・合成樹脂業界に関する用語を幅広くまとめています。