IPCCとは？

IPCCとは、「気候変動に関する政府間パネル（IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change）」と呼ばれ、人為起源によって引き起される気候変化、影響、適応並びにその緩和策について科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として1988年に世界気象機関（WMO）と国連環境計画(UNEP)によって設立された組織です。

1986年の「モントリオール議定書」、1988年の「トロント会議」に続いて設立され、政府・学術研究機関並びに非政府系組織の研究者から構成されています。数年ごとに「評価報告書」が発表されています。

IPCC設立後の1990年に気候科学にもとづく最初の査定が発表されました。その要点は温室効果ガスが抑制されないまま上昇すると、世界の気温は21世紀のうちに10年ごとに0.2～0.5℃ずつ温暖化が進むと予測しました。また海水面は10年ごとに3～10cm上昇するとしました。

地球温暖化と人間の活動の関係性についてIPCCは、1995年時点では地球温暖化が人為的活動によって引き起こされている「可能性が比較的高い」としていました。それが2001年には「可能性が高い」となり、2007年には「可能性がとても高い」に変化し、2013年には「きわめて可能性が高い」と変化しています。そして2021年8月には「疑う余地がない」と、地球温暖化の原因が人間の活動によるものと初めて断定する報告を公表しました。

また1992年6月に制定された国連の「気候変動枠組み条約」（United Nations Framework Convention on Climate Change; 略称はUNFCCC）の実際の適用にあたってはIPCCが調査作業を行っています。