日本サニパック株式会社
毎日の家事で欠かせないごみ出し。実は、ちょっとした出し方の違いで、回収してくれる清掃員さんの働きやすさや、地域の環境が大きく変わるんです。
今回は、お笑い芸人とごみ清掃員の2つの顔を持つマシンガンズ滝沢秀一さんにインタビュー。現場のプロだからこそわかる、こう出してくれると本当に助かる!というお役立ちポイントや、間違えやすい分別のコツを教えていただきました。
竹串は袋を突き破って清掃員の手に刺さることがあります。使い終わったティッシュ箱の中に竹串を入れて出してくれているのを見たときは、その配慮に感動しましたね。ごみの出し方にはその人の気遣いが表れているなと思います。
割れたグラスや皿を新聞紙でくるみ、「キケン」などわかりやすいように書いてくれると、僕らも細心の注意を払って回収できます。海外の方でも「Broken glass」と書いて出してくれる人がいて、そういう気持ちが本当に嬉しいんです。
大きな袋に直接生ごみなどの水分のあるごみを入れると破れやすいですが、小袋に入れて二重にするだけで強度が上がります。特に猫の砂などは重いので、二重にしてくれると助かりますね。
捨てられたごみの先にいる「受け取る人間」のことを考えて出してくれているな、と感じると本当に嬉しいです。
清掃車はごみを圧縮して積み込みます。水分の多い生ごみが入ったごみ袋を圧縮すると、清掃車の中で「パーン!」と袋が弾けて、中の汚水が清掃員に降りかかるんです。これを僕らは「ごみ汁」と呼んでいますが、一滴浴びるだけで一日中とんでもない匂いに悩まされます。
袋の口を固結びしないでゆるく結んだ状態であったり、開けたままのごみ袋を見かけることがあります。全地域をまわるために急いで回収しているので、それに気づかず持ち上げた瞬間に中身がぶちまけられてしまうことがあるんです。また、パンパンに詰めすぎて結び目が小さいのも、掴みどころがなくて持ちにくいので、しっかりごみ袋が結べるごみの量にしてもらえると助かります。
クリーニング後の衣類にかかっている透明のカバーや、スーパーで肉や魚のトレイなどを入れるロール状の袋を利用してごみ出しをされる方が時々いらっしゃいます。袋を有効活用しようという気持ちはよくわかりますが、袋が非常に薄くすぐに破れてしまいます。ごみ出しの際は、しっかりとした厚みのあるごみ袋やレジ袋を選んでいただくのが、結果的に周囲を汚さない近道です。
ピザの箱はダンボール素材なので資源として出してしまう人も多いですが、可燃ごみです。油がついた紙はリサイクルできないと覚えておくとわかりやすいです。あとは紙類だと「昇華転写紙」という、靴やカバンなどに緩衝材として入っている紙も資源にできません。紙にインクを含んでいて、加工時に他の紙と混ざるとリサイクルできなくなってしまいます。
実は多くの自治体では「缶は潰さないで」と言っています。選別センターの機械が、潰れた缶をうまく認識できなくなることがあるからです。
※自治体によってルールが異なる場合があります。ホームページなどに記載しているルールに従いましょう。
びんに貼ってあるラベルやシールは、リサイクル過程の高温処理で消えてしまうので、実は無理に剥がさなくて大丈夫なんです。あとはお惣菜のパックについた値札のシールとか、きれいに剥がれないものはざっくりで大丈夫です。リサイクル自体が面倒になってしまわないように、気にしすぎなくていい部分も知っていただけたらと思っています。
化粧品の捨て方って意外と説明されていることが少なくて、困っている人もいるのではないでしょうか。たとえば外側はプラスチックのようだし、内側には鏡がついてるし、部品は金属だし……といったコンパクトや口紅など。これを全部分解して捨てなければいけないかというと、基本的にはそのまま可燃ごみに出して大丈夫です。
また、マニキュアやリキッドファンデーションなどの液体系の化粧品の場合は、中身をいらない布に染み込ませて可燃ごみに、プラスチック・びんなどの容器はそれぞれの自治体の分別に従って捨てましょう。洗っても汚れが落ちない容器は資源として出せない点も注意が必要です。
今、業界全体で最大の課題はモバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池です。これは気づいたら膨らんでいて爆発する、というケースが多数あります。可燃ごみに混じると、清掃車の中や処理工場で圧縮された時に発火し、火災を引き起こすこともあります。実際に僕の仲間も、何度も清掃車の発火事故を目にしています。モバイルバッテリーの寿命は3年前後なので自治体の回収ボックスなどを利用できるといいですね。これから整備されるべき部分だとも思います。
また、薬品系の液体でケガをすることもあります。以前、除湿剤の中身を捨てずに資源ごみに出した人がいて、それを回収した清掃員が液を浴び、化学熱傷で救急搬送された事件もありました。液体ごみは必ず中身を使い切るか、適切に処理してから出してほしいと思っています。
ごみ袋を結ぶ時は、空気を抜いて余白をつくり、袋の口をしっかり固結びするだけで大丈夫です。ごみを詰め込みすぎて結び目が小さかったり、ごみ袋の口に隙間ができていたりすると持ちにくく、ごみがこぼれやすくなるので、回収のしやすさを意識した量にしてもらえると嬉しいです。
また、コンビニ袋などの小さな袋で可燃ごみを複数出す場合に、取っ手の部分を一つに結んで「ぶどう」のような形で出してくれる人がたまにいるんですが、これだと一回掴むだけで回収できて楽です。僕はこれを神ごみと呼んでいます(笑)。こういうちょっとした工夫に、日々救われていますね。
※回収できるごみ袋の種類は各自治体のホームページでご確認ください。
可燃ごみの大部分を占めるのは生ごみです。そして生ごみは水分をしっかり抜けば重さは劇的に軽くなります。水を含んだ生ごみを燃やすのは、いわば水を沸騰させているのと同じ。余計なエネルギーが必要になり、それは皆さんの税金で賄われています。ある自治体では、全員が片手で軽く生ごみを絞れば1億円、両手でしっかり絞れば3億円の税金が節約できるという試算も出ているほどです。三角コーナーや水切りネットに溜まった生ごみを1回絞るだけでもいいので、実践してくれるとうれしいです。
プラスチックや古紙などを資源ごみと呼ぶことがありますが、僕はこの言葉を使いません。実際にはごみとして処理するのではなく、リサイクルして活用されるからです。「可燃ごみ」として捨てられているものの約3分の1は紙やプラスチックなどの資源。ごみの分別と考えると面倒に感じるかもしれませんが、いかにごみから資源を見つけるかを楽しめるようになったらいいなと思います。
滝沢さんの言葉からは、ごみ清掃員という仕事を通して社会を良くしていきたいという熱意が感じられました。ごみを出した先には、多くの人が働いている。そんな想像力を持って、ごみの出し方に配慮していきたいですね。